2014年6月18日水曜日

朝起きたら、私は蟲になっていた。 
ん? 
何か様子が違う。 
あぁ、そうか。私は蟲になったのだ。 
かつて、そんな小説があったような気がしたが、 
何ゆえ、蟲になってしまった私の脳では思い出すこともできない。 
私は仕方無く、蟲として生きていくことにした。 
私は部屋から這い出し、隣の姉の部屋へ向かった。 
いつもは、姉が留守の間を見計らって、コソコソと忍び込んでいるのだが、
蟲となった今では、 こうやって堂々と入っていくことができる。 
ドアの隙間から、姉の部屋の中に進入する。 
あぁ・・・。姉の匂い・・・。 
蟲になった今でも、姉の匂いだけは憶えている。 
いやむしろ、匂いに対してはより鋭敏になったような気もする。 
これも蟲として生きていくための機能なのか。 

まあ、そんなことより、今は姉の匂いを満喫しよう。 
この匂いは、姉が使っている化粧品・香水の匂いなのだろうか。 
それとも姉自身が発している匂いなのだろうか? 
いずれにせよ、なんて甘い匂いなのだろう・・・。 
かつては、この匂いを嗅いだだけで、チンコがオッキ立ちしたものだが、 
今、蟲である私には、そういった器官が存在しない。 
あぁ、何てことだ。 
以前より、数百倍の感覚で、姉の匂いを知覚できるというのに、 
今の私には、その喜びを表現することができないのだ。 
が、そのことは、もういい。 
今さら、愚痴っても元の体に戻ることはできないのだから・・・。 

私は、蟲となった利点を最大限に生かそうと思う。 
姉はまだベッドで就寝中だ。 
大学生である姉は、午前中の講義が無い日は大抵起きるのが正午前だ。 
今も静かに寝息を立てている。 














私はベッドの柱をよじ登った。 
私の体は面白いように、木に粘着し、スイスイと垂壁を登ることができた。 
登頂を果たした私は、毛布をかき分け、姉のもとへと急いだ。 
そしてようやく私は姉の着る、ネグリジェに辿り着いた。 
私が人間だった頃、そのネグリジェの匂いを嗅ぎながら、何度オナニーをしただろう。 
私は無性にその頃のことが懐かしく思え、涙が出そうになった。 
が、蟲である私には涙腺器官が失われていた。 

私はネグリジェをかいくぐり、遂に姉の生身の身体に到達した。 
私は今、姉の首の部分に居る。 
何て柔らかいのだろう! 
蟲である私の触感感覚は、人間時代の数千倍にも感じられる。 
その状態で、最愛の姉の肌を味わえるのだっ! 
もう、考えられない位の喜びだった。 
他に表現のしようがないので、私はただクネクネと体をよじらせた。 
恐らく人間が見たら、忌み嫌うであろう、あのポーズだ。 
蟲の身のくねらせには、実はこんな歓喜の意味があった、というのを、 
蟲になって、初めて思い知らされた私であった。 

私は先を急いだ。 
目指すは姉の乳房だ。 
未だ触れたことの無い聖域。 
が、蟲である私には、今それを体感できる! 
はやる気持ちを抑え、私は体全体を使って前進する。 
なかなか近づかない、姉の豊満なバスト。 
私は、ヒマラヤへ向けて行進するキャラバン隊のことを思った。 
諦めてはいけない。
こうして少しずつ前進すれば、いつかはあの遥かなる山稜の頂に辿り着くのだ。 
ジワリジワリと前進する私。 
やがて、大地が大きく揺れ始めた。 
姉が呼吸するたびに大きく胸を揺らすのだ。 
落とされてはならない。私は足(?)と思われる部分に力を入れた。 

そして遂に姉のバストの裾野部分に辿り着いた。 
前方には、こんもりとした丘が二つ確認できる。 
私はその丘を登り始める。 
今、私は、憧れの地に居るッッ! 
胸いっぱいに喜びを覚えながら、私は進む。 
そして、躍り出た頂上部。 
ピンク色の粒々地帯を、私は歓喜のクネクネポーズをしながら通過した。

そして・・・。 
最後に溶岩ドーム状にせり上がった突起部分を登りきると、 
私の視界から前方を遮るものが無くなった。 
やった! 
私は遂に、姉の乳首の突端部分に立ったのだ! 
私の胸に熱くこみ上げるものがあった。 
私は、恐らく私の口と思える部分を、大地に接着させた。 
そして、思い切り吸引した。 
ああ! 
人間時代には、成し得ることのできなかった、姉の乳首への接吻! 
蟲である私には、今それが出来たのだ! 
蟲もけっこう悪くないな・・・。
と、そんなことを思いながら、 
私は飽きもせず、チュウチュウと姉の乳首を吸い続けた。 
もう、このまま蟲のままでいい! !

私が人間への未練を断ち切って、姉の乳首を吸っていると、 
突然大地が激しく揺れ動いた。 
「んん。うぅーーーん。」 
姉が眼を覚ましたようだ。 
は、早く逃げなければ! 
私はもんどり打って、姉の乳首から転げ落ちる。 
そのまま、姉の胸の谷間に落ちてしまった。 
うひゃあーーーーっ! 
急落下して、意識朦朧としていた時、 
上空が真っ暗になったかと思うと、 
次の瞬間私の体はフワーーっと宙に浮いていた。 
どうやら姉が私のことを指でつまみあげたみたいだ。 

「キャアァッ! 
 何コレぇええっ! 
 キモーーーいっっ!」 

そう言って、姉は私のことを思い切り、壁へ投げつけたのだ。 
うわああーーーーーーっ!!! 

ひゅぅぅーーー・・・。 

私の意識は一瞬、飛びかけた。 
もうこのまま壁にぶつかって死ぬんだな、と一度は諦めた。 
が、なかなか壁が近づいてこない。 
私の体の軽さのせいなのか、私は楕円軌道を描いて、床へと落下していった。 
私がもし人間だったら、即死状態の落差だったが、 
私はふわーーーっと、床に着地した。 
九死に一生を得た私だった。 
これからは気を付けないと。 
姉の身体に直かに触れられるのは、大きな喜びだけど、 
死んでしまっては元も子もないもんな。 

私はゆっくりと体を起こし、たんすの方へ向かった。 
夜までのんびりしていることにしよう・・・。 
夜になって、姉が寝静まったら、もう一度姉のところへでかけよう。 
今はしばらくの間、姉の下着に包まれて、眠ることにしよう。 
蟲である私に睡眠はあるのだろうか? 
今、蟲である、ってことも実は夢なのではないだろうか? 
この夢が覚めて、またいつもの姉との暮らしが戻ればいいのに、 
と思う反面、このままずっと姉の部屋で蟲として生きていくのも、 
悪くないかもしれないな、と私は思った。 
あぁ・・・。 
なんだか、頭が痛くなってきた。 
蟲である私には、これ以上、脳を働かせることはできないのかもしれない。 
姉の部屋で、姉への淡い想いを抱き続ける蟲一匹・・・。 
お姉ちゃん、僕、蟲になっても、お姉ちゃんのこと大好きだよう。 
だから、殺さないでね。 
僕、ずっとお姉ちゃんと一緒に居たいんだようぅ・・・。 
薄れ行く意識の中で、私はいつまでも繰り返した。 
・・・・・、・・・・・。 

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